甲子園干潟のシギ・チドリについて   文:内山裕之

                                             表紙に戻る

1 全体の概要

 甲子園干潟は西宮南部に広がる甲子園浜の東部に位置する。鳴尾新川の河口でもある。戦前、

阪神パークというクジラを飼っていた水族園があったところで、そのコンクリートの残骸(戦争の時爆撃で

壊された)が干潟に変貌した。広い場所ではなく、兵庫県暗南部地震で地盤沈下(20cm以上)した

ため、さらに狭くなって、シギ・チドリのえさ場としては、決して好環境とは言えない。環境改善のため、

国に砂を入れるように要望しているが、実現していない。(阪神間で干潟は皆無なので、シギチドリは

他にえさ場がなく、仕方なくこの干潟に訪れているのかもしれない。)

 甲子園干潟は狭いことにより次のような特徴を持つ。

 @ 大きく潮位が下がるときしか、広いえさ場が出現しない。

 A 休息の場所は沖にある石積みの残骸でできた防波堤のみで、非常に狭い。

 このような干潟の特徴から、渡りの季節に見られるシギ・チドリには次のような特徴がある。

 @ 甲子園干潟に来るシギ・チドリは種類が少ない。

 A 小型のシギ・チドリは大きな引き潮のときしか来ることができない。

 B 全体に数が少ない。

 次に飛来するシギ・チドリの具体的な動向について述べる。

2  飛来するシギ類

 一番多いのがハマシギである。秋は海面が大きくさがることがないので、春の方がどのシギ・チドリも

飛来する数が多い。二番手がトウネンである。三番手に入るシギ類はキョウジョシギ、チュウシャクシギ、

キアシシギ、オオソリハシシギ(2007年春は不思議なことに1羽も確認できず)である。四番手に入る

シギとしては、オバシギ、ソリハシシギ、ダイシャクシギなどが上げられる。滅多に見られないが、オジロ

トウネン、ミユビシギ、コオバシギ、メリケンキアシシギ、アカエリヒレアシシギなどがここ6〜8年ぐらいの

間に確認されている。留鳥のイソシギは数は1つか2つしか見られないが、ほぼ通年で見ることができる。

3  飛来するチドリ類

 一番多いのがシロチドリである。春秋の渡りの季節以外でも留鳥という関係からか、大群をみることが

ある。二番手はぐーんと数が減って春秋の渡りの季節に来る大型のダイゼンである。三番手は飛来数が

ぐーんと減ったメダイチドリである。四番手以下として、コチドリをたまに数羽、確認できるときもある。運が

良ければ、オオメダイチドリやイカルチドリを発見することもある。(これらのチドリはここ5年で一、二度、

確認されている。)

4 まとめ

 甲子園干潟は国の鳥獣保護区とはいうものの、飛来するシギ・チドリの種類・数ともに非常に少ない。

夜の休息場所が小さいこと、アシ原がないこと、地震で潮間帯が狭められたことなど、悪い条件が重なって

いることが原因と思われる。今後、大規模な改善策をとり、阪神間で唯一残されているこの干潟をさらに

素晴らしい環境に育てていくことが大切である。